時間をお返しします


僕が仕事をしていて一番嫌なというか、ムダだと思うことの一つが「ご挨拶」だ。

講演、研修、執筆等を引き受けた際、担当者の方から「ぜひご挨拶に伺いたい」と言われることがよくある。いわゆる「顔合わせ」だ。顔合わせをしたいという気持ちもわからなくはないが、それ以上になぜそんなムダなことに時間を割きたいのかと疑問に思う。

いや、こちらだって好きで挨拶に行っているわけではないという声も聞こえてきそうだけど、挨拶に来られる方は基本的に挨拶にしにきたいと思っている。なぜなら、何度お断りしても、どうしてもといって来られるからだ。

働き方改革をしたいのならこういうところのメンタリティにも大いに関係がある。仮に僕に都内から挨拶にくるとして、一体どれくらいの時間を前後含めて考えているのだろうか。その時間があれば、いくらでも他の仕事を終わらすことができる。ムダの全てがダメとは思わないが、こちらが望まないことについては、せめて止めて欲しいというのが嘘偽りのない本音だ。

いかにも大組織の人ほど、挨拶に来たがる傾向にあると思う。立場上というか、慣習としてそうなのかもしれないが、そういう組織ほど働き方改革をやろう!と頑張っていると思うので、その辺の意識改革をどうにかしないと本当に働き方改革は先が暗い。

僕は基本的に「挨拶」はお断りしている。特段会う必要があるとも思わないし、その時間が勿体なくて仕方がないからだ。だから断る。どうしても断りきれずに受けてしまった場合でも、5分、10分でお帰りいただくようにしている。挨拶だから、本当に挨拶しか用事がないし、挨拶だからものの5分もあれば十分用事は終わっているので問題ない。

お帰りいただく時にはそれとない合図を送っている。着席した瞬間にPCを開き、さあこれから打ち合わせですよという雰囲気をつくる。そして挨拶が終わったら、勢い良くPCを閉じるだけだ。これで大概の方は「あー、もう終わりだ」と感じとっていただける。

取材の時も同じだ。取材もなぜか大体1時間くらい時間が欲しいと言われる。毎年100本くらいは取材を受けていると思うが、本当に1時間も時間がかかる取材は数えるくらいしかない。おおまかな企画、文字数などがわかれば、大体の場合、30分もあれば十分に終わる。

あまりに早く終わって、向こうが戸惑ってしまうこともよくある。こんなに早く終るなんて、、、と言いながら申し訳なさそうに何とか1時間の時間をもたせようと話しを始める方もいらっしゃる。

これまではそんな時、どう言えばこの場がきれいに終われるのか特にアイデアはなかったけど、昨日ある方からすごく良い話しを聞いた。

それは打ち合わせでも会議でも時間が予定時間より早く終わったら、「時間をお返しします」と言うというのだ。例えば、1時間の会議の予定のところ30分で終わったら、残りの30分はお返ししますので、自由に使ってくださいという意味だ。本来の業務に使ってもいいし、その辺で休憩する時間に割り当ててもいいし、何に使っていただいても構わない。

なるほど、その言い方であれば角が立たないし、なんだかすごくキレイな言い方だと思った。なので、今度からそういうことがあったら、「時間をお返しします」とさらっと言ってみよう。相手の反応が楽しみだ。


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