自分を愛する力 乙武洋匡


来月、協会主催の「イライラしない子育てシンポジウム」に乙武さんにお越しいただくので、その企画のきっかけになった乙武さんの本を改めて読んでいる。

本書のテーマは「自己肯定感」。これだけのハンデを負って生まれた乙武さん(ご自身ではそうは思っていない)が、どうしてあれだけ明るく、前向きに生きることができているのかを、自身の反省、子育てを通じて考え方を述べていく。

乙武さんが自己肯定感が高いのに対して、僕は改めて自己肯定感が低いなと思った。

決して、僕の両親の子育てを責めるわけじゃない。でも、乙武さんのように父親が考えていてくれてたら、今の僕はどうなっていただろうかと思う。

自らやってみて怒られたり、失敗だとわかったりして学んでいく。子どもにはそうやって生きていく人間になってほしい。だから、なるべく親の立場で「こうしなさい」とは言わないようにしています。

僕の父親は乙武さん言うところのまやかしの言葉「あなたのためを思って!」というのをよく使っていた。お前にはこっちの道の方があってる、お前にはできっこない、そんなことをしてどうなる、なぜできないんだ?等々、言われ続けた。

どうしてこの人は僕のことをわかってくれないんだろう?とずっと思ってた。

でも不思議なことに、親戚や周りの人達は口をそろえて、僕の父親がいかに僕のことを大事に思っているのか言う。そこがさっぱり理解できなかった。これだけ僕のことを否定する人が僕のことを大事にしているとは、その頃は到底思わなかった。まあ、今にしてみれば、気持ちはわかるけどね。同意はしないけど。

僕は今でも褒められるのが苦手だ。今では人から褒められることも多いのだけど、この人は何を褒めているだろう?とピンとこない。

99人に褒められたとしても、1人の文句に目がいってしまう。それが辛いから、人からの評価は一切見ないようにしてる。Amazonのレビューも見ないし、講演、研修からいただくフィードバックも一切見ない。

ムラというのは、自信のない者同士が「ね、これでいいんだよね?」と相談しながら生活している場だと思うんです。それが、「他人に相談しなくたって、俺がこれをイエスと思えばいいんだよ。俺はそうやって生きていくよ」と堂々と宣言できる強さを持てるようになって、初めて「個」になれると思うんです。

僕はまだ「個」になれていないから、ムラを出て行く勇気がない。ただ、「個」になるために、ムラから出て行くために挑戦はし続けている。

「ムラに頼る必要がないから出ていくね」と言ってムラから飛び出した人間を、避難したり、指さしたり、彼らに息苦しい思いをさせることだけはやめてほしいですね。

その通りだと思う。今は、人が少し外れたことをしただけで、直接関係ない人も呆れるくらい叩く。そんなことをすれば、自分だって住みにくい社会になるだろうに。

「個」を育てる教育は必要だし、「個」を受け入れられる社会になっていくことも必要だ。