2週間で人生を取り戻す! 勝間式汚部屋脱出プログラム 勝間和代


本を通しての感想は”ロジカル”。経済評論家としての本分なのか、それとも勝間さんご自身がもともとそうなのかはわかりませんが、とにかくロジカルに分析をして、行動を組み立て、片付けに臨むという印象です。あまり片付け本を読んだことがないのですが、こんな感じでロジカルに書かれているものは少ないのではないかなとは思います。

勝間さんは片付けができない理由として、3つの罠を挙げています。この3つの罠がとても面白かった。

1.効率的という名の「ものぐさ」の罠

勝間さんのご自宅にはいくつものフィットネス器具があるそうですが、それは、この器具があればいつでも運動できる、ラクに身体を鍛えられそうといった安心や保険を買っているのであって、それを生むのを「ものぐさ心」と言っています。さらにそのものぐさ心を満たすために使う費用のことを「ものぐさコスト」と呼んでいます。この「ものぐさコスト」についてすごく納得したのが次の文章。

私はこれを「ものぐさコスト」と呼んでいます。ものやサービスを作る人たちは、みんなこの「ものぐさコスト」に注目し、便利そうで効率的に見えるものやサービスを次々に作っては、ものぐさな人からお金を取ろうとしていますので、気を付けないとどんどん、術中にはまっていきます。

なるほど、こういう見方があるのかと感心しました。

2.「バッチ処理」の罠

私たちは掃除でも選択でも買い物でも、なんとなく、「まとめてやるほうが、効率的で経済的だ」と思い込んでいるところです。実はこれは大きな間違いです。

まとめて処理した方が楽というなんとなくの思い込み。確かにそう思うことは多いかなと思いますが、その思い込みについても、「バッチ処理=まとめて処理」は極めて旧世代的とばっさり切り捨てています。

本書にもありましたが、確かにゴミもたまるのを待ってから捨てるよりもその都度捨てた方が片付くし、わざわざ待つ必要はないのですよね。買い物だって、まとめて買った方が効率的そうですが、結果的には不要なものを買い込み腐らせてしまうと。

僕は洗濯がこの傾向があるかな。なんとなくもったいないので、ある程度たまってから洗濯をしていますが、別に毎日やってはいけないというルールは勝手に自分で作っているだけなんです。。。

3.「サンク・コスト」の罠

もう一つ、「捨てられない心」の一番の大きな原因は、現在価値はゼロなのに、過去にこれだけお金をかけたから、というコスト、経済用語でいう、サンク・コスト(埋没コスト)に、知らず知らずのうちに縛られてしまうことです。

僕が片付けが得意というか、捨てるのが得意なのは、、サンク・コストをほぼ気にしないからだと思う。もう既に使ってしまったお金なのだから、そこに価値を考えても仕方がないと結構思っています。

あとは「思い出コスト」というのもあるんじゃないだろうかと思います。このモノには思い出があるから捨てられない、このモノには思い入れがあるから捨てられない。。。僕はこの思い出コストもほぼ考えないので、モノを捨てられる。思い出は自分の頭の中にあって、そのモノには思い出は宿ってないって結構割りきれて考えられているからでしょうね。

ここで経済評論家らしい勝間さんが「ものの価値」をこう説明しています。

経済用語で言えば、ものの価値は、「効用」(ユーティリティ:utility)と使用時間の長さで決まります。

簡単に言ってしまえば、そのモノを持つことでの満足感をどれだけ長い期間持てるかということだと思います。効用は役に経つということではなく、本人がそれを持っていることで嬉しいと思えるのであれば、周りが見てガラクタだとしても、本人にとっては効用があるということです。

ところが、しょっちゅう、人間は「効用」を見誤ります。最初から「効用」が低いと思ってものを買う人はいませんが、効用が高いと思って買っても、実は低かった、という思い違いは多々あります。たとえば、最初、かわいいと思って買った洋服が、実際には似合わなかったり、着心地が悪かったりして、不愉快な気分になるのであれば、それは「効用」が低い=自分にとって価値がないということです。

終始ロジカルに解説していて、勝間さん自身「ロジカル家事」と呼んでいますが、僕にはとてもわかりやすく腑に落ちやすい考え方でした。これまで片づけ本をいろいろ試してみて、あまりうまくいかなかった人に、別のアプローチということで一読の価値ありの本と思います。

それにしても本書のオチ(?)も傑作です(笑)。