何か他人とはまったく別の何かになりたい。唯一無二の存在になりたい。他の人が誰もやったことないことで成功したい。何もないところから何かを生み出したい。そんな願望を持ったことがある人は少なくないと思います。
僕もそのひとりで、過去にはオンリーワンの事業を組み立てようといろいろと考えたことがあります。しかし、それを考えるうち、オンリーワン、つまり唯一のものは基本的には社会に需要がないものとイコールではないのかということに気づきました。
実際に今の世の中で「誰も考えたことがない新しいもの」がどれくらいあるでしょうか。誰もそれをやっていないのは、やる価値がないからかもしれません。「誰もやったことがないことをやる人は偉い」と思いがちですが、一概にそうとはいえません。
僕は、わざわざオンリーワンという難しいものをあえて目指すより、今いる場所でがんばること、今やっていることで成功するに価値があるのではと考えています。
「オンリーワンになろう!」と頑張るのは、一見大きな目標に向かってがんばっているように見えますが、果たして本当にそうなんだろうかと。つまり他人とは違う、特別なことをやらなければいけないと感じる気持ちの裏側には、自己肯定感の低さが表れていると言えるのです。今自分がいる場所や今自分がしていることに満足できていないと人とは違うものを求めたくなってしまうのです。
自己肯定感が低いと周囲の声を気にしすぎて些細なことで自分を責めたり、逆に他人の気持ちをコントロールしようとしたりして人生が空回りしがちです。その結果、他人と比較されない誰もいない場所=オンリーワンを探し求めてしまう。
その気持ちはよく理解できますが、しかしそれはとても険しい道程になるでしょう。そういう人が唯一無二の仕事、存在を求めても、結局誰にも評価されずますます自己肯定感を下げてしまう可能性も多いにあるからです。逆に自己肯定感の高い人はどこにいても、何をしていてもそれが下がることはありません。
今いる場所で、今やっていることを一生懸命やる。オンリーワンを目指すのではなく、今の自分にOKを出せる生き方を探すほうが納得できる結果にたどり着けるのではないでしょうか。変わったことをすること、人と違うことをすることが幸せにつながるわけではないのです。
誰にもできない特別なことをしなくても、誰にでもできることを自分なりに突き詰めていくことで自分自身を認めることができるようになるということをぜひ覚えておいてほしいと思います。
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