今いる会社も動かせない人には、社会を動かすことはできない


先週、お金の話でも書いた通り、自分で事業をはじめることは、僕にとって大きな転機になりました。

大きな企業で働くということは大きなアドバンテージになりそうなものですが、今の時代は逆にリスクが高いことだと思っています。

一見安定しているように見えても、企業にとって多くの社員は歯車のひとつです。その先を真剣に考えていないかぎり、退職した後にそのことを思い知らされます。また給料日が来てもお金が振り込まれない日が突然やって来るかもしれないのが今の世の中です。そのリスクをわかって会社員をしている人は少ないように思えます。

それを考えれば、自分の事業を持つこと、つまり起業というのはよい選択です。でも、起業が目標になってしまうと本末転倒です。

何かから逃げたいから起業というのは違う気がします。今の会社がイヤだから、上司と合わないから。そういう逃げの気持ちで本業をおろそかにしてなにか新しいことを始めてもうまくいくことはないでしょう。

「今いる会社はもうダメなので、僕は起業に全力を注いでいます」などと異業種交流会などでそんなことをいう人がたまにいます。

その言葉を聞いてふと考えてしまいました。「こっちに力を入れて、あちらでは手を抜く」なんてことはなかなか器用にできるものではありません。本人は全力を出しているつもりでも世間から見たら手を抜いている本業とどちらも同じレベルにしか映りません。

中途半端な「全力」ではうまくはいかないはずです。いや、全力で挑んだって失敗することも多いのが現実。いきなり成功して食べられるようになる人は、ほんの一握りでしょう。

本業で結果を出せない人には、新しいことをやって結果が出せるわけがありません。起業する前、僕自身もクサっていましたが、自分が働いている会社も動かせないのに、社会を動かすことはできないということに気づきました。

起業したいなら、今やっている本業に全力で取り組み、結果を出すことが必要です。それで自分の努力できる量を知ることになるのですから。

僕自身、起業してすぐうまくいったわけではありません。そのときは僕には運がない、チャンスに恵まれないだけだと思っていました。でもそうではありませんでした。運もチャンスもちゃんとめぐってきていたんです。そのとき僕は用意をしていないからつかめなかった。

運やチャンスをつかめる人は、準備ができている人なのです。宝くじの高額当選者に破産する人が多いといわれていますが、それは準備なくお金をもってしまったから。準備がない人が運をつかんでも続かないのです。

起業に必要な準備は、まず以下の3つといえるでしょう。

1.分野を絞ること
2.目的をはっきりさせること(逃げる以外)
3.アホみたいに毎日努力すること

2の目的は3の毎日の努力を続けるためのモチベーションになりますので、とても重要です。目的をズバリ「お金」としてもいいのですが、正直「お金」だけだと心がすさみます。できれば社会に対して志のあるものだと毎日努力することを続けることができます。

僕は一部の天才をのぞいて、ほとんどの人の才能に差はないと思っています。だから、差を大きくするか、埋めるのは努力しかないと思っています。

僕は起業してから最初の7年は文字通り一日も休みませんでした。別に休まないと決めていたわけじゃなく、ただただ努力していたら休まなかったというだけでした。